「自社で更新したい」というご要望は殆どのお客さまがお持ちです。
更新機能付きホームページは、CMS(シーエムエス・Contents Management System)と呼ばれるシステムが組み込まれます。
CMSが搭載されていれば専門知識や専用のソフトを購入しなくてもホームページの更新が可能です。
よってブログ感覚で簡単に更新できるとイメージされているお客さまは多いですし、ホームページ制作会社でもそのような斡旋をしていますが・・・
たとえば一般のブログサービスは各投稿記事に任意のレイアウト設計ができますが、お客さまは意図どおりにレイアウトできるでしょうか?
CMSのメリットは、問い合わせフォームのように入力箇所が限定され、入力すべき内容が決まっているものに対して発生します。
CMSは更新反映をウェブサーバー上のシステムによって行うため、通常よりもウェブサーバーに負担をかけます。よってCMSを導入する場合、通常より高性能のサーバーが必要になります。
もちろんシステムとレイアウトの関連付け作業も必要です。
新規制作の納品後、制作会社とお客さまの接点は「更新作業」が主になりますが、CMSを導入するとそれがなくなります。
ホームページの運用目的が日常業務の消化のみであれば問題ないでしょうが、集客や競合対策を考えるときは専門家の意見をとりいれたほうがよいです。
しかし普段から顔をあわせなければなかなか気軽には相談できないものでは?
CMSを導入して有効に活用されているケースは意外と少ないのが現実です。
弊社の直制作のほか、下請けやリニューアルで他社さんに流れた案件を追跡調査したものが次のデータです。
| 非通販 | 通販 | |
|---|---|---|
| CMS導入が適切だったといえる活用をしている | 3% | 32% |
| 更新はしているがCMS以外の方法を採用したほうがメリットが大きい | 6% | 57% |
| ほとんど活用していない(更新していない) | 91% | 11% |

| 成功 | 失敗 | |
|---|---|---|
| 更新する内容が | 予め決まっている | 予め決まっていない |
| 更新の材料が | 日常業務の中で常時発生する | 日常業務の中で常時発生しない |
| 実際の作業が | ルーチンワーク化されていない | ルーチンワーク化されていない |
| 専任担当者が | いる | いない (オーナーが行っている) |
通販サイトの場合、商品の入れ替えや特売告知などで日常的に更新する材料が発生します。また、制作外注をするネットショップでは事務スタッフが専任担当者になることが多いです。
対して非通販サイトの場合、「更新するためのコンテンツ」を企画しなければ更新すべき材料はなかなか発生しません。日常的な更新材料がなければルーチンワーク化もできません。オーナー自らが更新作業を行う場合、「命令する人」がいないので、必然的な理由がなければ更新しなくなるのは自然の成り行きといえます。
よほどの更新物量がない限りはCMSの導入よりはるかに簡単で、大幅に低コストです。
日常発生する程度の更新作業はパソコンの操作ができる人なら30分程度のレクチャーで習得できます。
無償配布されているソフトを使用してソースコード(HTML)を直接編集します。
難しそうに感じますが、ルーチンワーク化できる箇所に限定すればこれも30分程度のレクチャーで習得できます。
但し、人によっては性格的に合わないこともあると思います。また、適切かつシンプルな設計がされていることが必須条件となるため、作成者の技量によってはこの方法が選択できないこともあります。

最も合理的な選択です。
自社内で更新技術を持っていてもあえて外注するケースは普通にあります。
ただし、「即時対応が難しい」、「依頼するのが精神的に億劫」というデメリットはあります。懸念されるなら他の方法を検討したほうがよいかもしれません。

それが日常業務の中で自然発生するものか確認しましょう。
更新内容が具体的でない場合、現時点でのCMS導入は無意味である可能性が高いです。
更新は必要に迫られて行うものです。『最低でも1週間に1度は更新する』というような精神論では継続できません。
CMSは自動処理や労力負担の軽減をするためシステムです。
作業内容がルーチンワーク化でき、なおかつ1回あたりの平均所要時間が1時間を越えるかが目安です。これを下回る場合、CMSの利用によって作業効率が低下することもあります。
担当者の技術不足はCMSではなくスキルアップで解決すべきことです。
初期導入費の差額だけで作成ソフトは購入できます。外注する場合も、都度発注ではなく年間契約にすれば安価に対応してもらえるはずです。

自社ドメイン内に設置したCMSでブログを行うメリットは、デザインが統一できることと、広告が排除できることです。
しかしウェブ運用のプロである制作会社では、自社ドメイン内にブログを設置することは稀です。
なぜなのでしょうか?

使用されるベースシステムは、種類によって特徴や特性があります。
一般に、SOHOの制作会社は「得意なもの」、組織体制の制作会社は「売りたいもの」を斡旋する傾向がありますが、往々にしてこれは適切な選択とはいえないことがあります。

ムーバブルタイプと呼びます。表記は「MT」と略されます。
ウェブデザインとの親和性が高いためか、多くの制作会社が使用しています。制作会社のオリジナルCMSのベースとして使われることもあります。
通常版の商用利用はライセンス料が発生します。

ワードプレスと呼びます。表記は「WP」と略されます。
「ブログ」としての利用において高い汎用性を持ち、システムへの負荷も少ない。有料のMTに対してWPは無料で利用できるため、SOHOや小規模の制作会社がよく使用しています。
但し、ウェブデザインとの親和性は優れてはいないため、複雑なレイアウトには向かない。(できないのではなく高度な技術と工数を要する) また、システムの性質上、SEO面の不利も少なくない。
「ブログ」には向きますが「ウェブサイト」にはあまり向かないようです。

ドルーパルと呼びます。
一般的なCMS機能のほか、ユーザーアカウント管理やアクセスコントロール制御など幅広く対応するため、ウェブアプリケーションフレームワークに分類されています。
運用管理面である程度のプログラミング知識が要求されるため、いわゆる「売り切り」で提供されるケースは少ないようです。

ズープスと呼びます。
電子掲示板システムを発展させたCMSで、フォーラムサイトなどの双方向コミュニケーションサイトの構築に向きます。
但し、運用システムに高負荷をかけるため、高性能なウェブサーバーが必要です。アクセシビリティ面やSEO面での問題も多いため、企業の母体サイトには向きません。
ゼロの状態からつくられたCMS。
オーダーメイドではなく量販目的のものは開発に設備とスタッフの先行投資が必要なので、ある程度の規模がある制作会社のみが取り扱っています。
先行投資した開発コストを回収するために営業マンは過大な販売ノルマを課されていることが多く、これに起因するトラブルは決して少なくない。
導入に際しては第三者によるセカンドオピニオンサービスの利用がお勧め。